レパートリーの多いパフォーマーなら声優の仕事はたくさんありますが、アニメ映画ともなると、他の仕事(ナレーション、広告、テレビアニメなど)とは話が違ってきます。アニメ映画のアンサンブルを担当するキャスティング・ディレクターは、自然な話し声の俳優に可能性を見出します。ディレクターに注目されるには、VOの豊富な経歴以上のものが必要とされます。
レパートリーの多いパフォーマーなら声優の仕事はたくさんありますが、アニメ映画ともなると、他の仕事(ナレーション、広告、テレビアニメなど)とは話が違ってきます。アニメ映画のアンサンブルを担当するキャスティング・ディレクターは、自然な話し声の俳優に可能性を見出します。ディレクターに注目されるには、VOの豊富な経歴以上のものが必要とされます。
では、作品オーディションを受ける際に必要とされるのは一体何でしょう?今回は、ディズニー、ピクサー、ドリームワークスといった長編アニメのキャスティング・ディレクターの、裏方としての意見をご紹介します。
プランニングはただの台詞暗記ではない
ディズニー・アニメのオーディションでは、アクターは創造性を発揮し、場合によってはアドリブも求められます。ディズニーのオーディションでは、ページ上の言葉よりも、アクターの演技解釈、そして声の響きによってキャラクターの心を表現することが重要視されます。
キャラクターになりきり、短距離ではなく長距離を走っていることを忘れてはいけません。1回のレコーディング・セッションでは、4〜6時間の連続作業が求められます。また、契約によっては、1回のセッションで異なる3人の声を任される可能性もあります。
俳優はアニメの役を勝ち取る可能性が高い?
必ずしも超有名人が選ばれるわけではないのが、声優の面白い点でもあります。キャストを見ると、有名人ばかりが選ばれるわけではないのが分かります。身体演技が素晴らしい人もいますが、目を閉じればそんなことは分かりません。とにかく声音と声の暖かさが全てです。声に響きがあるかどうかです。目を閉じて聞くのですから、何をしているかは見えません。全てを声で伝え、物語を伝達しなければならないのです。動きや個性を活かすのは、声のトーンやバリエーションです。
長編アニメはタレントのオリジナリティを重視
求められるのは、自然な声です。巨大なVO業界では、様々な声が出せることが大事ですが、一般的なデモはピクサーには通用しません(そこが魅力でもあります)。素晴らしい声を出す人が必要なのは同じですが、ピクサーのデモで要求されるのは普段どおりの声で話すことです。
ディズニー・アニメは、観客が共感できるキャラクターを信条としています。大げさな演技やアニメ的な演技ではなく、地に足のついた演技をする声優を選ぶことで、より深い物語の世界へと観客をいざなうのです。でも多くの人は、アニメのキャスティングでは「様々な声が出せる」役者を求めていると考えています。
私はディズニーでしかアニメの仕事をしたことがないので、他のスタジオのことはわかりませんが、ディズニーでは地声を使っていない、あるいはバリエーションがほとんどない声優を雇うことはほぼありません。ですから、ピクサーの声優を志望するなら、ユニークかつ自然な声で話すべきでしょうね。